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雨氷 雨氷型駆逐艦 1番艦 性別:男 身長:156㎝ 一人称 僕 二人称:君 交流可否:OK ファンアート可否:OK R-18:NG R-18G:NG 作者discord在籍有無:在籍中 艦歴 駆逐艦「島風」をベースに量産された雨氷型駆逐艦のネームシップ。 艦隊型駆逐艦として急造されたため、建造直後は12.7㎝連装砲B型改を積んでいたが、程なくしてD型に改修される。 指揮設備を持っていた本艦は輸送船団護衛の指揮を取ることも多かったが、輸送船団護衛中に戦没する。 艦隊行動に不慣れな民間船などからの識別を容易にするため、雨氷は“ぷてぃんぐ”と呼ばれる識別帯をつけていた。 性格 同型艦が多くいるため長男意識は高いが、長男としての威厳はあまり感じられない。 基本的には温厚で自分が何を言われようと大抵はヘラヘラして流してしまうが、大切にしている弟や妹が貶されたりすると本気で怒る。 好物はプリンと“主に小麦粉からなる生地に餡を入れ、金属製焼き型で焼成した和菓子”(雨氷は「ベイクドモチョチョ」、「アンコリーノ」と呼んでいる)。 室内では裸足で過ごすことが多いため、妹の雨香(雨氷型駆逐艦10番艦)にサンダルを履かされるなどをしている。 口癖は「うひょ〜」。
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物資輸送船 効果モンスター 星3/水属性/機械族/攻 0/守1500 手札を1枚捨てる事で、このカードを手札から特殊召喚する。 このカードを生け贄に捧げることで、自分のデッキまたは墓地から 「魚雷魚」または「砲弾ヤリ貝」を1体自分フィールド場に特殊召喚する。 Part13-859 名前 コメント
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輸送船団を護衛するイギリス本国艦隊、 これを阻止しようとドイツとイタリアの 艦隊が地中海で本国艦隊に挑む。
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416: 194 :2022/01/23(日) 22 34 59 HOST ai126151039185.55.access-internet.ne.jp 現代日本大陸化&銀連神崎島クロスSS ある日、日本が『超』大陸と化してしまった件サードシーズン?その19 対戦娘想定姫・鬼級兵器 陸上戦艦姫級 制空戦闘姫級とほぼ時を同じくして生み出された、対戦娘戦を想定した姫級。 戦娘同様「人機一体」な兵器であり、制空戦闘姫級同様に戦娘を模した物と考えられる。 目を引くのはその大きさであり、身長は2m近くに達し、キャタピラ等も入れると3m近くにもなる。 背部に大型大出力のガスタービンエンジン(APU内蔵)を搭載。両腕に前代未聞の28㎝連装砲塔(スモークディスチャージャー付)を装備。 装填速度こそやや遅い物の、圧倒的な火力で全てを吹き飛ばす。胸部装甲正面に近接防御用の12.7㎜機銃を1丁。両肩に連装対戦車ミサイルランチャーを装備している。 このミサイルランチャーは射角を変更可能であり、トップアタックで攻撃する事も可能。頭部ヘルメットには30㎜機関砲を2門装備。対空用を兼ねている。 脚部に大型のキャタピラを装備し、極めて高い地形走破能力を持つ。また、超大陸世界の兵器の物を模したと思われるビーム砲も脚部前後に内蔵されている。 特筆すべきは格闘用兵装で、なんと主砲である28㎝砲から特殊合金製の拳を有線誘導式で打ち出してくるのだ。 武器のイメージとしてはGガ〇ダムのグ〇ンドガ〇ダムが使用する武器の一つ、グ〇ンドボ〇バーそのまま。殴りつけるだけでなく、相手を掴んで引き寄せる事も可能。 ワイヤーが絡み付く等した場合は、切り離す事も可能。拳は自動で新しく生成される。 そして見た目の重厚さに比例して防御力も高く、重砲弾幕の中でも傷一つ付いていないのが北米で確認されている。 また、仮にキャタピラが切れても、一定時間で自動に修復されている様子も確認されている。つまり限定的ながら、再生能力すら保有しているのだ。 数少ない弱点としてその見た目に比例した機動力の低さが挙げられる。とはいえ、74式戦車と同じ位の速度で走行する事は可能なので、鈍重という訳では無い。 何より、この激しい弾幕の前ではまず近づく事も一苦労であり、なおかつ格闘戦時も高い戦闘力を誇る。 まさに陸上戦艦ともいうべき兵器と言えよう。 幸いな事に、確認されているのは北米戦線での一体のみ。だが有力な1個機甲師団が損害を与えられないまま壊滅させられている事も有り、反攻作戦における大きな障害として、 人類の前に立ちふさがって来るのが確実と見られている。 417: 194 :2022/01/23(日) 22 35 29 HOST ai126151039185.55.access-internet.ne.jp 高速海上姫級 こちらも制空戦闘姫級とほぼ時を同じくして生み出された、対戦娘戦を想定した姫級。 やはり戦娘同様「人機一体」な兵器であり、制空戦闘姫級同様に戦娘を模した物と考えられる。 目を引くのは、下半身に接続された巨大なトリマラン型の船体であり、VTOL機の運用すら可能。更に底部に超電導式推進ポッドを装着し、最高速度は驚異の120ノットに達する。 それでいて運動性能も非常に高く、船体に複数装備された防空火器の弾幕も有り、攻撃を悉く回避もしくは迎撃されてしまう。 右腕には203㎜連装速射砲を、左腕にはVLSを16セル装備。背中の機関の後ろに四連装対艦ミサイルランチャーを2基装備している。 格闘戦用の兵装は、複数装備された高周波ブレード付きクナイ。切りつけたり刺したりするのは勿論、緊急時には投げつけてダメージを与える事も可能。 その投擲スピードは速く、見てから回避は不可能な程だ。 確認されたのはパナマ運河西方の海域。単艦で輸送船団に突入し、たった1隻で輸送船団を無傷で壊滅させる戦闘力を見せている。 このスピードと鬼の様な回避能力から攻撃を当てるのは至難の業であり、まともに対応不可能な通常の艦船は勿論、戦娘にとっても脅威となりうる。 何せ攻撃が当たらず、格闘戦にもまず乗ってこない。ひたすら一撃離脱で攻めて来るのだ。 不幸中の幸いは、数が一体のみという事。だが、此処まで攻撃を当てるのが至難の業である以上、たった一隻に海域を制圧されたも同じな事であり、早急なる対策が求められている。 418: 194 :2022/01/23(日) 22 35 59 HOST ai126151039185.55.access-internet.ne.jp 以上です。原案者・クローサー様から頂いた制空戦闘姫級を元に、その陸上版と海上版を製作してみました。 陸の方は、元ネタのベースがラーテにGガ〇ダムのグ〇ンドガ〇ダム・脚のビームは同じくGガ〇ダムのネ〇スガ〇ダムのサ〇リコ〇ビームが元となります。 まぁビームの方ですが、流石に銀色のビームや七色のビームを乱射するモードは有りませんw(ヲイ) それ以外だと、単独で動かすという事から重鉄騎とかも近いかもしれません。 海の方は、インディペンデンス級沿海域戦闘艦と艦これの駆逐棲姫をベースに、回避と一撃離脱に特化した物となります。 主砲は203㎜速射砲ですが、戦娘の場合最大でも130㎜速射砲が精々なので(それより上の大口径砲はまだ開発中)、防御等を差っ引いてもこのクラスで現状は十分と判断されました。 次回以降、制空戦闘姫級と併せてこいつ等が人類に牙をむきます。今後の展開をお楽しみに。それでは。 wiki掲載は、自由です。 419: 194 :2022/01/23(日) 22 44 34 HOST ai126151039185.55.access-internet.ne.jp 誤字を見つけたので、修正を。 417 誤 右腕には203㎜速射砲を ↓ 正 右腕には203㎜連装速射砲を 誤 確認されたのはパナマ運河西方の海域。単艦で輸送船団に突入し、たった1隻で輸送船弾を無傷で壊滅させる戦闘力を見せている。 ↓ 正 確認されたのはパナマ運河西方の海域。単艦で輸送船団に突入し、たった1隻で輸送船団を無傷で壊滅させる戦闘力を見せている。 wiki掲載時に、修正をお願いします。
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輸送船団を護衛するイギリス本国艦隊、 これを阻止しようとドイツとイタリアの 艦隊が地中海で本国艦隊に挑む。
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クエスト名 内容 獲得資材等 出現条件 燃料 弾薬 鋼材 ボーキ その他 あ号作戦 1週間の全力出撃を行い、可能な限り多くの敵艦隊を捕捉、これを迎撃せよ! 300 300 300 100 高速建造材x2 敵艦隊主力を撃滅せよ!終了 ボス艦隊に24回勝利 開発資材x2 い号作戦 有力な母艦航空隊で1週間の全力出撃を行い、可能な限り多くの敵空母を撃滅せよ! 0 500 0 500 開発資材x2 敵補給艦を3隻撃沈せよ!終了 空母20隻撃沈 海上通商破壊作戦 1週間で敵輸送船を20隻以上撃沈せよ! 500 0 400 0 開発資材x3 敵艦隊主力を撃滅せよ!終了 ろ号作戦 1週間の全力出撃を行い、敵輸送船団を捕捉・撃滅、敵の補給路を寸断せよ! 400 0 800 0 高速修復材x3 あ号作戦終了 補給艦を50隻撃沈 海上護衛戦 有力な対潜能力を持つ海上護衛隊によって、可能な限り多くの敵潜水艦を撃滅せよ! 600 0 0 0 高速修復材x2 い号作戦終了 潜水艦15隻撃破で達成 敵東方艦隊を撃滅せよ! 西方海域に出撃し、敵東方艦隊の主力を捕捉、これを撃滅せよ! 400 0 0 700 海上護衛戦終了 西方海域のボス12回程度撃破で達成
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第50話 夜海の松明 1482年(1942年) 10月24日 午後11時10分 ノーベンエル岬沖北東80マイル沖 竜母部隊から増派された護衛艦隊と、アメリカ側の襲撃艦隊が激戦を繰り広げている間、輸送船団は 上陸地点よりあと3時間の地点にまで迫っていた。 上陸部隊は主に3つに分かれている。 先頭を行くのは第17軍の3個師団を乗せた輸送船団である。 第17軍司令官であるアルズワク・ルーカリア中将は、盛んに明滅する後方の海域に見入っていた。 「激しいですな。」 彼の副官が、不安そうな表情でルーカリア中将に言った。 「戦いが始まってから既に40分。護衛艦隊は奮闘しているようですが・・・・・」 「安心せい。敵の潜水艦に減らされたとはいえ、第8艦隊は5隻の戦艦を持っているんだ。例え負けても、 敵に深手を負わせているだろう。我々は、上陸した後の事を考えれば良い。」 不安げな表情の副官に対して、固太りのルーカリア中将は誇らしげに胸を張りながら言葉を続ける。 「それに、一旦陸に入り込めば、後はわしらの独壇場だ。ミスリアル軍の大半は頭部に駆り出されて、 西部にはせいぜい3万ほどの軍しか残っておらん。数の少ない敵軍なぞ、我が歴戦の精鋭軍にとっては 赤子と大人ほどの違いがあるぞ。」 ルーカリア中将はそう言いながら、後方の別の船団を指差した。 「それに、今回は本国から第3特殊軍という超一流の兵士ばかりを集めた味方も来ている。魔法技能、 戦闘技能、いずれにおいても優秀。人によっては、奴らに対して劣等感を感じる奴もいるようだが、 わしにとっては、第3特殊軍の作戦参加は心強い限りだ。」 そう言って、ルーカリア中将は高笑いを上げた。 第3特殊軍は第72魔法騎士師団、第66特殊戦旅団で編成されている。 特筆すべき事は、シホールアンルでも精鋭中の精鋭である第72魔法騎士団が参加している事だ。 魔法騎士師団。それは、各国が編成する軍のなかで最も異質かつ、優秀な部隊である。 国の中には、この魔法騎士団が負けたら国自体も負けるといわれるほど、貴重な部隊であり、 通常の国家は旅団編成で2~3個旅団を保有し、大国クラスならば師団編成で1、2個師団保有している。 シホールアンル帝国は、流石は超大国と言う事もあり、6個師団と2個旅団を保有している。 それでも、貴重な部隊である事には変わらず、この魔法騎士団の実戦投入はその戦争の正念場か、 敵に対する最終攻勢の場合のみである。 滅多に前線に出てこない事から、帝国本土のお飾り部隊と蔑む者も少なくないが、師団を構成する兵員は どれもこれも優秀な魔法技術を持っており、隊長クラスの中には敵1個連隊を少数兵力のみで圧倒したとか、 襲ってきた暗殺者をものの数秒で一蹴したなど、武勇伝を持つ物もいる。 更に、個人技能では普通の正規軍を上回る精鋭部隊がこの魔法騎士団に付いて来るとなると、ミスリアルの 上陸作戦は手早く成功するであろうと、誰もが確信していた。 問題は、それらを阻もうとする者達。 アメリカ機動部隊から分派されて来た襲撃部隊を撃退できるかだ。 「魔法騎士団の活躍ぶりは、父親から聞かされていますが、1個師団で小規模の国を占領できるほど凄いらしいですな。」 「その通りだ。わしも、魔法騎士団の戦いぶりは見たことが無い。この上陸作戦で、そいつらの活躍を是非とも見てみたいものだ。」 (それと同時に、第3特殊軍の司令官とお近付きになれれば、ルーカリア家の株も上がる) ルーカリア中将は、第3特殊軍の司令官であるとある青年、ルイクス・エルファルフ少将の顔を思い浮かべる。 僅か30代で将軍になった秀才ぶりは尋常では無いが、モルクンレル家とタメを張れるほどの名家の血縁者と 仲良くなれれば、まだ二流貴族であるルーカリア家も首都で名を広められるだろう。 「クックックッ。早く上陸せんものかな。」 ルーカリア中将は、上陸開始を心待ちにしていた。 その一方で、第12艦隊の巡洋艦と駆逐艦が、慌てた様子で船団から離れ始めた。 「ガルクレルフで使ったような、オトリ戦法を使うんすよ。」 ラウスのややだらけた口調で紡ぎ出された一言。 その一言がきっかけで、この艦隊はノーベンエル岬にまでやって来た。 「リー戦隊、依然として敵主力艦隊と交戦中の模様。現場海域はかなりの激戦のようです。」 別働隊旗艦である軽巡洋艦へレナ艦上で、ノーマン・スコット少将は険しい表情でその報告を聞き入っていた。 「無線交信の中に、ノーザンプトン、サヴァンナ喪失という言葉があったが、リー戦隊の損害も無視出来ん事になってるだろう。」 スコット少将は、内心はすぐにでもリー戦隊に加わって敵艦隊と砲火を交えたいと思っている。 だが、彼らは決して、敵主力艦部隊と出会ってはいけない。 敵主力艦隊と戦うのは、リー戦隊のみと事前に決まっていた。 何故なら、リー戦隊は敵護衛艦隊を輸送船団から引き離すために作られた、“えさ”なのだから。 「しかし、リー戦隊が敵主力艦を引付けてくれたお陰で、俺達は本来の任務に没頭できる。」 スコット少将は、リー戦隊の奮戦に感謝しつつ、指揮下の部隊を時速32ノットで敵船団を追跡していた。 スコットに与えられた艦は、旗艦の軽巡洋艦ヘレナを初めに、就役したばかりの新鋭軽巡クリーブランド、 対空軽巡のアトランタとジュノー。 それに駆逐艦クレイブン、ダンラップ、ハンマン、ベンハム、エレット、ローウェン、オースチンの計11隻。 この11隻が、敵船団の前方から襲いかかるべく、敵と約20マイルほどの距離を開けながら東に向かって航行している。 そして午後10時55分。 「司令官、敵艦隊を追い越しました!」 「ようし、各艦へ通達。戦隊進路変更、取り舵一杯!これより敵輸送船団に向かう!」 スコット少将が無線機のマイクを取り出して、各艦に通達してから、彼はそれを置いた。 やがて、ヘレナを先頭に、スコット戦隊は左に回頭し始めた。 各艦が回頭を終えると、スコット戦隊は単縦陣のまま、32ノット以上のスピードで敵船団の前方に躍り出た。 敵船団の前方20マイルの距離に進出したスコット戦隊は、再び進路を変更し、今度は敵船団の真正面から突っ込む形で、 距離を急速に縮め始めた。 距離が14マイルを切ろうとした時、SGレーダーに移っている光店のうち、最先頭の4つが急にスピードを速めた。 「敵船団の最先頭が急にスピードを上げました!どうやら護衛艦のようです!」 CICからの報告に、スコット少将は僅かに頷いた。 「ついに気付いたか。恐らく、船団の周囲にへばり付いている護衛艦だな。」 スコット少将はそう呟くと、深呼吸をしてから指示を下した。 「砲戦用意!」 第12艦隊旗艦である巡洋艦レルバンスクの艦橋では、アメリカ艦隊の突然の襲撃に半ばパニック状態に陥っていた。 「おのれぇ、アメリカ人共め!あの襲撃部隊は囮だったのか!」 艦橋に詰めているマリングス・ニヒトー少将は、顔を真っ赤にして怒鳴った。 「姑息な手を使いおって。迎撃だ!第12艦隊の総力を持って、新たに現れたアメリカ艦隊を殲滅する!全速前進!」 ニヒトー少将の号令の下、まず船団の先頭を航行していた巡洋艦レルバンスク、ヒルヒャが先頭に立ち、後方から 6隻の駆逐艦が16リンルのスピードでアメリカ艦隊に向かう。 他の駆逐艦はまだ船団の側方に張り付いているため、すぐには戦闘に参加できない。 そのため、他の駆逐艦が来るまでは、この8隻の艦で敵を食い止めねばならない。 「反応増大!敵艦隊は本艦の右舷前方に居ます!」 魔道将校の言葉に、ニヒトー少将はすぐに聞き返した。 「距離は!?」 「5ゼルドです!」 「よし。主砲の射程距離だな。艦長、照明弾発射!」 「了解!」 ニヒトー少将に命じられてから10秒後に、レルバンスクは照明弾を発射した。 右舷前方の海域に照明弾が上空で炸裂する。 眩い光の下に、アメリカ艦隊はいた。 「アメリカ艦隊視認!敵は巡洋艦2、大型駆逐艦2、駆逐艦7!」 「大型駆逐艦か。敵の進路は!?」 「依然、直進中・・・・あっ!1番艦が左に変針!続いて2番艦も変針します!残りは直進を続けます!」 「変針した2隻は巡洋艦か・・・・・」 ニヒトー少将は、この2隻がどのような艦が大体予想は付いていた。 (恐らくブルックリン級だな) 彼は内心でそう思いながら、あの日の事を思い出していた。 ニヒトー少将は、去年の11月12日、第13艦隊所属の巡洋艦、レルバンスクの艦長としてアメリカ艦隊攻撃に加わっていた。 その時、レルバンスクは2番艦に位置していた。 あの海戦で、レルバンスクは見たことも無い敵巡洋艦と戦い、撃ち負けた。 その巡洋艦というのが、今では知らぬ者はいない化け物。ブルックリン級巡洋艦である。 レルバンスクは、矢継ぎ早に発砲して来るブルックリン級に撃ち負けて大破し、生き残った寮艦と共に本国に戻った。 それ以来、ニヒトー少将はブルックリン級と再び戦う事を決めていた。 そして、復仇の機会はついにやって来た。 「面舵一杯!敵巡洋艦と並べ!敵駆逐艦は後の艦に任せる!」 ニヒトー少将は敵艦の目的が、彼の巡洋艦を引付ける事であると分かっていた。 だが、彼は敢えてそれを引き受けた。 やがて、敵と並び合ったレルバンスク、ヒルヒャは照準を米巡洋艦に合わせた。 左舷に位置する敵巡洋艦の上空に、間断なく照明弾が炸裂し、闇夜の向こうにおぼろげなアメリカ巡洋艦が見える。 前部、後部に並べられた5基の主砲。頑丈そうな箱状の艦橋に2本煙突。 紛れも無い、ブルックリン級巡洋艦だ。 不思議な事に、敵艦はまだ撃って来ない。 (どうした?貴様らは俺達がここに居る事を知っているだろう。撃つなら撃て。) ニヒトー少将は米巡洋艦に向けて、内心で語りかける。 「・・・まあよい。射撃準備はできたか!?」 「ハッ!全主砲、射撃準備完了です!」 艦長のその言葉に、ニヒトー少将は獰猛な笑みを浮かべてから命令を発した。 「レルバンスク、目標1番艦、ヒルヒャ、目標2番艦。主砲撃て!」 その直後、6門の7.1ネルリ砲が咆哮した。 斉射の瞬間、艦が僅かに反対側に傾ぐ。 同時に、アメリカ巡洋艦も発砲を開始していた。発砲炎はかなり大きい。 「敵艦、射撃開始!斉射です!」 やがて、ブルックリン級巡洋艦の周囲に6本の水柱が立ち上がる。 「夾叉です!」 「ようし!流石は12艦隊の中で最も優秀な艦だ!」 ニヒトー少将は満足したような表情で叫んだ。 その一方で、敵巡洋艦は第1斉射から6秒後に第2斉射を放つ。 第1斉射弾はレルバンスクを飛び越え、第2斉射もまた同様に反対側に飛び抜けていく。 更に第3斉射が敵巡洋艦から放たれる。 「早速やりやがったか。ブルックリン級自慢の速射術!」 ニヒトー少将は、全身に冷や汗が吹き出す感覚を覚えながらも、豪胆な笑みを浮かべる。 6秒おきに10発以上の砲弾を放つブルックリン級の射撃は、まさに砲弾の雨さながらだ。 アメリカ側でブルックリン・ジャブと言われるこの猛射に、何隻ものシホールアンル艦が犠牲になっている。 第1斉射から21秒後に第2斉射が放たれる。 弾着までの間に、更に敵巡洋艦は2度斉射を行うが、不思議な事に、命中も、夾叉もしない。 「撃つだけなら簡単だが、当てるのは難しいぞ。アメリカ人!」 ニヒトー少将は、空振りを繰り返す敵1番艦を嘲笑する。 その時、敵1番艦の周囲に水柱が吹き上がる。それと同時に、2つの閃光が走った。 「2弾命中!敵艦の中央部より火災発生!」 その報告に、艦橋内で歓声が爆発した。 「猛訓練の甲斐があったな。この調子で、ブルックリン級を倒す!」 ニヒトー少将は、第2斉射で命中弾を出すという偉業を目にした事から、彼はブルックリン級に勝てるかもしれないと思った。 中央部から火災を起こした敵1番艦だが、これだけでは参るはずも無く、相変わらず15門の大砲を乱射する。 第3斉射を放つ直前に、敵の斉射弾がレルバンスクを夾叉した。 「夾叉されました!」 見張りが悲鳴じみた声でそう叫んだ。 「怯むな!当たりをつけたのはこちらが先だ!」 ニヒトー少将の叱咤と同時に、レルバンスクが第3斉射を放つ。 この時、魔道将校がヒルヒャからの緊急信を報告して来た。 「ヒルヒャより報告!敵2番艦はブルックリン級にあらず、新型巡洋艦の可能性が大なり」 「新型巡洋艦、だと?」 ニヒトー少将は怪訝な表情を浮かべながら、望遠鏡で敵2番艦を見る。 敵2番艦もまた、照明弾の光でおぼろげな姿を現すのみだが、よく見ると、発砲炎が1番艦より少ない。 発砲炎の数は、1番艦15あるのに対し、2番艦は12か10程度だ。 「敵2番艦は、砲力に関しては1番艦より弱いな。なら、ヒルヒャはやりやすいだろう。」 その時、物凄い衝撃がレルバンスクを襲った。 被弾の衝撃がレルバンスクを地震のようにひとしきり揺らす。 衝撃から立ち直らぬうちに、新たな命中弾が揺れを継続させる。 「いかん!敵弾が命中し始めた!」 ニヒトー少将は、青ざめた表情で叫んだ。 その間、レルバンスクが放った第3斉射は敵1番艦。 ヘレナの右舷に3発命中し、第1両用砲を粉砕した他、20ミリ機銃2丁と28ミリ4連装機銃1基を破壊し、火災を拡大させた。 だが、この命中弾もヘレナの深部を傷つける事は出来なかった。 第4斉射が放たれる間、レルバンスクに3斉射分の6インチ砲弾が降り注ぎ、合計で9発を被弾してしまった。 命中弾が艦上に備え付けられた魔道銃や高射砲を千切り飛ばし、細かい破片に変える。 別の命中弾が後部艦橋の至近に命中して、後部艦橋の要員をひやりとさせるが、幸運にも主砲塔には損害は無い。 第4斉射が轟然と、レルバンスクから放たれる。 そして、次の斉射を待つ間にも、レルバンスクには6インチ砲弾が雨あられと降り注ぐ。 しかし、レルバンスクは幸運であった。 敵弾が前部甲板を引き裂き、中央甲板から火災を発生させても、主砲塔には敵弾は降って来ない。 逆に第5斉射、そして第6斉射弾を放つ。 ヘレナの艦上に敵の正確な射弾が降り注ぐ。右舷に残っていた機銃や両用砲が粉砕され、艦の外容が醜くなっていく。 第6斉射の砲弾は、ヘレナの第3砲塔に命中した。 砲弾が命中した瞬間、敵弾が中に込められた3発の砲弾を誘爆させて天蓋がまくれ上がる。 敵艦に向けられた3本の砲身は、それぞれがでたらめな方向に向いてしまった。 「敵1番艦の主砲塔を1基潰しました!敵艦の火災がまた広がります!」 「ようし、その調子でどんどん押していくぞ!」 レルバンスクは、更に6発の敵弾を浴びるが、第7斉射を放った時も、6門の7.1ネルリ砲は無事であった。 この斉射弾は、敵の前部甲板に1発、そして後部に2発命中した。 特に後部に命中した砲弾は、第4砲塔のバーベットを歪ませて、戦闘不能に陥れさせた。 「敵1番艦の砲塔、更に沈黙!」 見張りが喜びの混じった声音で報告する。 「凄い、一時はそのまま押され通しになるかと思ったが。このままいけば、敵艦を脱落させることができる!」 (最も、この艦もそろそろ限界だが) ニヒトー少将は、最後の一言は言わなかった。 レルバンスクは既に23発の敵弾を浴びており、中央部と後部から火災を起こしている。 左舷側の魔道銃、高射砲は全て粉砕され、後部艦橋とも連絡が途絶えているが、奇跡的に3基の主砲塔と、 艦深部の機関室には被害は及んでいない。 このまま行けば、砲塔や機関室に食らって戦闘不能になるだろうが、せめて、相対する敵も道連れにしたい。 (貴様だけは絶対に行かさんぞ) ニヒトー少将が、内心でそう思った時、唐突に後方から眩い光が沸き起こった。 次いで、凄まじい爆発音が海上を圧する。 「ヒルヒャが大爆発を起こしました!」 その悲報に、ニヒトー少将の表情は凍りついた。 軽巡洋艦クリーブランドの艦上では、初めて目にする敵艦轟沈に、誰もが言葉を失っていた。 「て、敵2番艦。轟沈しました。」 見張りが、幾分ためらいがちな口調で報告して来る。 その声で、艦長のトレンク・ブラロック大佐は我に返った。 「分かった。砲術!目標を敵1番艦に変更する。」 「目標を敵1番艦に変更、アイアイサー。」 その言葉を最後に、ブラロック大佐は受話器を置く。艦橋内には、先と打って変わってどこか浮ついた空気が流れている。 初めての水上砲戦で、敵艦撃沈という戦果を挙げたのだ。誰もが内心、喜びで一杯であろう。 だが、乗員達は誰も歓声を上げる事無く、ただ自分の職務を黙々とこなしていた。 (よく分かってるじゃねえか。そうだ、まだ戦闘は終わってないからな。笑う事は戦いが終わってから出来る。 その事を、こいつらはようやく理解したか。口酸っぱく注意した甲斐があったな) ブラロック大佐は、日々、部下達に対して戦闘中に歓声を上げたりするなと何度も言っていた。 気の緩みは、即、死に繋がり、取り返しの付かぬことになる。 彼はクリーブランド艦長に赴任してから繰り返し言い続け、兵達は彼の言い付け通り、余計な感傷は表さなかった。 「しかし、流石は54口径砲だ。47砲口径砲とは威力が違うな。」 ブラロック大佐は、感心したような表情で、旋回する2門の6インチ砲を見つめた。 クリーブランドは、敵2番艦を相手に砲門を開いた。 最初、砲弾はなかなか命中しなかったが、第8斉射で2弾が命中してからは、砲弾は次々と命中した。 第23斉射で14発目が命中した時、敵2番艦は急に速力を落とし始め、24斉射目で新たに5発が命中した直後、 敵2番艦は後部から火柱を吹き上げ、艦首を逆立てながら急速に沈んでいった。 クリーブランドが2番艦を撃沈確実に追い込んだのに対して、1番艦のヘレナは敵1番艦30発ほど命中させているが、 逆に砲塔2基を使用不能にされて、互角か、やや押され気味になっている。 彼はまだ知らなかったが、クリーブランドの54口径砲から放たれた6インチ弾は、敵艦の内部に必ず侵入してから 炸裂し、艦内を著しく破損させていた。 だが、ヘレナから発射された6インチ弾は、艦内に侵入する物もあれば、甲板上で炸裂する物もあり、見た目ほどには 敵艦にダメージを与えていなかった。 クリーブランドが12門の主砲を敵1番艦に向けた時は、敵艦は後部砲塔を粉砕されて砲力が衰えていたが、 まだ前部4門の主砲でヘレナを砲撃していた。 クリーブランドが射撃に加わってからは、敵1番艦は2分ほどで沈黙し、大火災を起こしながら速度を落とし始めた。 「砲撃止め。」 スコット少将が命じた時、敵1番艦は艦橋のみを残して、艦体表面が破壊し尽くされていた。 「あれなら、もう戦闘行動を取れないだろう。しかし、敵1番艦はなかなか強かだったな。」 「射撃精度が良すぎましたな。一時はどうなるかと思いましたが、何はともあれ、敵巡洋艦は全て潰しました。」 ヘレナ艦長の言葉に、スコット少将は深く頷いた。 「針路変更!これより敵船団に向かう!」 「て、て、敵だぁ!」 輸送船で、海戦の成り行きを見ていた兵士が、怯えた表情で叫んだ。 輸送船団の前方からやって来る幾つ物艦影。 それは近付くにつれて、輸送船上の将兵達の恐怖感を増大させていく。 階段状に3基設置された砲に、頑丈そうな箱状の艦橋を持つ巡洋艦が2隻。 そして、後方に付き従う駆逐艦と思しき艦が7隻。 それらが、白波を蹴立てながら、飢えた猛獣の如き速さで、船団との距離を急速に縮める。 この敵に立ち向かっていった6隻の駆逐艦は、ことごとく返り討ちに合い、生き残った艦は間断ない砲撃の前に追い散らされた。 そして、この敵艦隊はついに、輸送船団の面前に現れたのだ。 輸送船団の右横を、3隻の駆逐艦が駆け抜けて行き、勇敢にも敵に立ち向かっていく。 その時、敵巡洋艦2隻から主砲が放たれる。 発射間隔の短さは、異常だった。 4秒おきに繰り返される猛射に、早々と先頭の駆逐艦が被弾し、火災を吹き上げた。 まだ傷が浅いのか、駆逐艦は16リンルの高速で敵に突進していく。 駆逐艦に対して、より激しい砲撃が加えられ、駆逐艦に次々と命中弾が相次ぐ。 力尽きた駆逐艦は、海上に停止して一叢の炎に成り代わり、後の2隻の駆逐艦も、1分と経たずに先頭艦と同様の運命を辿る。 阻む物が居なくなった船団に、運命の時はやって来た。 敵艦が船団の針路を阻むように回頭する。巡洋艦2隻が回頭を終えるや、主砲を手近な輸送船に向けて撃ちまくる。 軽巡洋艦アトランタ、ジュノーが放つ28門の5インチ砲弾は、先頭の大型輸送帆船に雨あられと降り注ぎ、次々に命中した。 輸送船は全体に満遍なく5インチ砲弾を浴び、あちこちで火災を発生する。 火災が発生した後は早かった。 まるで、松明に火をつけたかのように、その輸送船は全体を火に包まれ始め、火の手から逃れようと、 大勢の将兵や船員が我先にと海上に飛び込んでいく。 米艦隊は他の船にも主砲を撃ちまくる。 とある砲弾が、輸送船のマストに命中する。マストが音立てて折れて、逃げ惑う兵達を巻き込みながら甲板上に倒れた。 別の大型輸送船は、いきなりスピード緩めた寮船を避けようとして、急に回頭を始める。 不運にも、その輸送船のすぐ側を航行していた中型輸送船がまともに体当たりされて、2隻共々、その場に停止する。 その停止した場所は、まだ先頭に近い場所であった。 互いの船の乗員が罵声を投げ合っている中、海面から白い航跡が何本も走り去る。 その中の1本が中型輸送船に突き刺さった。 次の瞬間、大音響と共に中型輸送船が木っ端微塵に吹き飛んでしまった。 この中型輸送船には、大量の火薬や調理用の固形燃料が積載されており、魚雷が命中、炸裂した場所には、 ちょうど火薬の積めた木箱が大量に置かれていた。 爆発は中型輸送船のみならず、ぶつかって来た大型輸送船の船体をも叩き割り、あっという間に炎に包まれていった。 対空軽巡の5インチ砲弾が輸送船の船体を一寸刻みに傷つけ、発射した魚雷が脆い下腹を抉って、船の竜骨を一撃の下に叩き折る。 9隻のアメリカ軍艦が輸送船団の前面を行ったり来たりしながら猛砲撃を浴びせ続けて早30分が経つと、新たな巡洋艦2隻が “狩り”に加わった。 加わった2隻の巡洋艦は、ヘレナとクリーブランドである。 ヘレナとクリーブランドは、まだ無傷を保っている別の集団に距離10000まで近付くや、主砲を唸らせた。 主に砲撃を受けていたのは、船団の先頭部分であったが、今度は南側の船団にも砲弾が飛んできた。 47口径6インチ砲9門、54口径6インチ砲12門、計21門の6インチ砲が、6秒おきに砲弾を放ち、 目に付く輸送船を手当たり次第に襲う。 小型スループ船、中型輸送船、大型輸送帆船が、無差別に砲弾をぶち込まれ、片っ端から炎上していった。 被害は先頭集団を編成する第17軍のみならず、中央船団を編成する第3特殊軍にも及ぶ。 ひとしきりいくつかの船団を叩きのめしたヘレナとクリーブランドが、第3特殊軍の船団にも襲い掛かったのだ。 ヘレナとクリーブランドは、残弾を気にする事無く、新たな敵船団に対して距離9000メートルから砲撃を開始する。 今度は健在な両用砲も交えた砲撃であり、特にクリーブランドの射撃は凄まじい。 54口径6インチ砲12門、5インチ連装両用砲8門の連続射撃を行うクリーブランドの姿は、まさに怒れるモンスターが 地鳴りのような咆哮を挙げつつ、諸手を振り上げて敵に襲い掛かる様を想像させる。 いくら優秀な魔法使いが居るとは言え、彼らの魔法が有効に働くのは、敵が100~600メートルほどの距離にいる時だ。 9000メートルの彼方から高速弾を乱射して来る米軽巡の前には、最精鋭と謳われた魔法騎士師団も、 特殊戦に長け、血を見る事自体を好みとする特殊戦旅団の将兵も無力であった。 6インチ砲、5インチ砲の猛射が、1隻、また1隻と、輸送船を次々と松明に変えていく。 とある輸送船では、優秀な魔法使いにふさわしく、魔法防御を持って降り注ぐ砲弾を防ごうとした。 10人から20人が強力して発動させた防御魔法は、急造ながらも見事に起動し、アメリカ軽巡が放つ砲弾を無為に炸裂させた。 「やったぞ!思い知ったか!これが俺達魔法騎士団の実力だ!」 防御成功に気を良くした将校が、砲弾を放つアメリカ軽巡向けて嘲笑を浮かべて。 だが、防御の時に作動した光が、ヘレナとクリーブランドの注目を浴び、より一層砲弾を招き寄せてしまった。 魔法防御を施した輸送船に雨あられと砲弾が落下する。 10発、20発と、魔法防御は良く耐えたが、急造の術式では2隻分の弾雨にはかなわず、しまいには魔法防御を 打ち砕かれ、船もろとも魔道士達が吹き飛ばされる。 砲弾が輸送船に着弾する度に、悲鳴が鳴り響き、船に火の手が上がってそこかしこで兵や船員達が海に飛び込んでいく。 そこに砲弾が何発も着弾して、少なからぬ人数が砕け散った。 スコット隊の乱入で、シホールアンル軍輸送船団の隊列は半ば崩れていた。 後方集団を成していた第20軍は、先を行く輸送船団が次々と襲撃されている様子を見て撤退を決意し、 残りの全輸送船に避退を命じたが、この時、更なる脅威が彼らの後方に迫っていた。 それは、リー戦隊の残存部隊であった。 残存部隊とは言え、戦艦ワシントン、サウスダコタを中心に、重巡洋艦アストリア、ヴィンセンス、 駆逐艦11隻を加えた強力な艦隊である。 リー戦隊は、敵船団まで20000メートルまで近付くと、16インチ砲を発射した。 木造船とは言え、密集隊形で航行していた輸送船団は、SGレーダーに捉えられており、リーは部隊が接近しきるまでに 主砲を撃ちまくろうと決意した。 正確無比なレーダー射撃の前に、図体だけは戦艦並みの大型輸送帆船が1.2トンの砲弾に無残に叩き割られ、 ちっぽけなスループ船が神隠しに遭ったかのように水柱に掻き消され、二度とその姿を見せなくなった。 ようやく避退に移りかけた船団だが、速いもので僅か10リンルしか出ぬ輸送船は、高速艦揃いのアメリカ艦に 容易に追いつかれ、次々と撃沈されていく。 ワシントン、サウスダコタが斉射を行う度に、最低1隻の輸送船が大音響と共に吹き飛ばされるか、あるいは 姿そのものを消してしまう。 戦艦部隊は、10000メートルまで距離を縮めると、主砲のみならず、5インチ両用砲までも発砲して、 敵船団を叩き潰した。 第12艦隊所属の勇敢な駆逐艦数隻が、ワシントン、サウスダコタに襲い掛かるが、護衛の重巡や駆逐艦に 滅多打ちに遭って、残らず沈黙していく。 ブライトン隊の駆逐艦が、邪魔者を排除した後に、未だ健在な輸送船団に向かって、ありったけの53センチ魚雷を発射した。 瞬く間に8隻の輸送船が被雷し、うち3隻が火柱を上げながら轟沈する。 ノーベンエル岬沖に繰り広げられる地獄は、収まる所か、より苛烈さを増していく。 米軽巡の速射砲が一寸刻みに輸送船の船上構造物を毟り取り、乗っている兵員をなぎ倒していく。 駆逐艦の雷撃が大型船、小型船の区別無く命中し、10人単位、100人単位の敵平野船員が死んでいく。 輸送船内で、前線で大いに活躍するはずだったキメラが、席巻していく炎に巻かれて、悲鳴を上げながら絶命した。 船倉のゴーレム保管室に16インチ砲弾がぶち込まれて、直後に10体以上の頑丈なゴーレムが、紙細工よろしく砕け散った。 敵軍の後方で、撹乱作戦に当たるはずだったエリート部隊が乗る船に、100発以上の5インチ、6インチ砲弾が命中し、 甲板上に出る間もなく、船共々海没処分にされる。 これまでの戦争で名を挙げた魔道士が率いる部隊の輸送船に魚雷が命中し、船がすぐさま沈下を始める。 危機的な状況に対して、理性を維持できる人間と言う者は少ない場合が多い。 この部隊も例外ではなく、数分前まで尊敬していた先輩を、罵声を浴びせ、または踏みつけながら甲板に出ようとする。 中には親しい戦友を殺してまで脱出を試みる者も出て来る。 その者共の輸送船に止めとばかりに、6秒おきの砲弾のスコールが降り注ぎ、スコールが終わった後には、静寂のみが残される。 アストリア、ヴィンセンスが、距離8000程度にまで迫ってから、無傷の船団に向けて8インチ砲弾を撃ちまくる。 船体の小さい小型船は1発で叩き折られ、中型船は間を置いて火を噴き始めて、大型船は動きが鈍い上に図体ばかりが 大きいため、遠距離からでも面白いように砲弾が命中する。 そう間を置かずに、10隻程度の梯団は片っ端から叩き据えられ、海中に送り込まれて行った。 もはや、この海域は殺戮に狂う米艦によって作り上げられた、阿鼻叫喚の巷と化していた。 午前1時30分 ノーベンエル岬沖北東60マイル沖 海上は一面、オレンジ色に染まっていた。 戦艦ワシントンの艦橋から、海上を双眼鏡で眺めていたウィリス・リー少将は複雑な表情を浮かべていた。 「この様子だと。敵船団500隻のうち、半数以上に被害を与えたようだな。」 「確かに。スコット戦隊からは、砲弾の残りが1割を切った艦にあるようです。」 「このワシントンもあと3割程度しか砲弾は残っておらん。任務とは言え、どうもやりすぎたような気がするな。」 別働隊のスコット戦隊と、リー戦隊は輸送船団襲撃に成功し、暫定ながらも半数以上の輸送船を撃沈、 または撃破したと判断された。 残りの敵船団は、リー戦隊、スコット戦隊が足止めを食らった敵船団や敵駆逐艦を相手している時に、なんとか逃げ帰って行った。 船団の完全撃滅とまではいかなかったが、アメリカ艦隊は敵の上陸作戦を頓挫させる事に成功したのだ。 だが、その一方で、リーの内心は晴れ晴れとしなかった。 「とにかく、これで敵の新たな脅威は去り、戦局は当面、シホールアンル側に不利になるだろう。 後は、後発の海兵隊がミスリアルに上陸し、空母部隊がどれだけミスリアル軍や海兵隊を支援できるかに かかっている。ミスリアルからシホールアンル軍を追い出すまでは、気が抜けぬ日々が続くだろう。」 リー少将はそう言いながら、再び海面を見つめた。 無数の血が流された海は、まるで血に染まったかのように明るかった。 昼間の機動部隊同士の決戦であるリルネ岬沖海戦。 夜間の主力艦同士の決戦と、アメリカ軍の輸送船団襲撃が行われたノーベンエル岬沖海戦。 この2つの大海戦は、後に第2次バゼット半島沖海戦の総称でくくられ、後の歴史に名を残す事になった。 戦争の転換点となったこの大海戦のきっかけを作った、ミスリアル王国第4皇女ベレイス・ヒューリックは、 2週間後に遺体を発見された。 アメリカ海軍では、彼女の勇敢なる行動を称え、後に竣工するギアリング級駆逐艦にその名が与えられる事になるが、 それはまだ先の話である。 第2次バゼット半島沖海戦 両軍損害表 シホールアンル帝国軍 喪失 正規竜母クァーラルド イリアレンズ リギルガレス ゼルアレ 戦艦ジェクラ ロジンク クロレク 巡洋艦ルオグレイ オーメイ ジャンビ レンガキ ヒルヒャ 駆逐艦18隻 大破 正規竜母ギルガメル モルクド 小型竜母ライル・エグ 戦艦リングスツ オールクレイ 巡洋艦ラスル ネルジェリン レルバンスク 駆逐艦8隻 中破 巡洋艦ジョクランス 駆逐艦2隻 輸送船152隻沈没 142隻大破、放棄(後の航空攻撃、潜水艦部隊の攻撃も含む) 上陸部隊損失人員58329人 ワイバーン358騎喪失 アメリカ合衆国軍 喪失 正規空母レンジャー 重巡洋艦ノーザンプトン 軽巡洋艦サヴァンナ サンファン 駆逐艦デューイ ブルー マグフォード 潜水艦トリガー キャシュロット 大破 正規空母ホーネット 戦艦ノースカロライナ 重巡洋艦ペンサコラ 軽巡洋艦ナッシュヴィル 駆逐艦フレッチャー リバモア 中破 正規空母エンタープライズ ヨークタウン 戦艦ワシントン ノースカロライナ 重巡洋艦アストリア クインシー 軽巡洋艦ヘレナ 駆逐艦オバノン 小破 正規空母ワスプ 重巡洋艦ヴィンセンス 軽巡洋艦アトランタ クリーブランド 航空機喪失208機
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FAR-A-100「海狼の牙」 目標 主目標 輸送船団を防衛せよ 副目標1 敵潜水艦を3隻撃沈せよ(開始後すぐ) 副目標2 駆逐艦を14隻撃沈せよ 隠しアイテム 電子設計図4:初期配備の敵水上艦隊を殲滅した後、南西から増援でくる敵輸送船から。 とてもゆっくりと北上する。輸送船団が入港したタイミングでMAP真西まで進んでいるかレベルなので、回収は後回しで大丈夫。 作戦および設計上の注意 FAR-E-080を演習で繰り返して資金を稼ぎ、駆逐船体IIやボイラーIやタービンVIIIを開発しておきましょう。 ボイラーを6個以上積み、速力45kt以上にします。ついでに急速前進も搭載。 武装は、艦砲より57mmバルカン砲をメインにした方が楽かも。 前を攻撃できる噴進爆雷砲や対潜ロケットも開発して装備すると、潜水艦が楽に倒せます。 魚雷は積まなくてもクリアできます。 攻略 スタート後すぐに北上、潜水艦を撃沈し、敵部隊を追いかけつつ攻撃を加え殲滅する。 初期配置の敵部隊は輸送船が来るまでは待機してるが、輸送船が出現すると反転して攻撃しに行く。 マップ北から出現する増援を掃討し、マップ南西から北上する輸送船を撃沈してアイテムをゲット。 うまく照準できない人は迎撃モードを使ってみてください。 アイテム ランク報酬 1周目 2周目以降 Sランククリア報酬 61cm酸素魚雷 新型超音波酸素魚雷 Aランククリア報酬 小型機雷掃討魚雷 新型対潜ロケット(2周目) 取得アイテム 45cm魚雷 68cm酸素魚雷 45cm酸素魚雷 新型対潜ロケット 48.3cm魚雷 68cm誘導魚雷 48.3cm潜水魚雷 48.3cm砲塔魚雷 小型機雷掃討魚雷 その他(備考・感想・雑記) スピード命。 トップページ | 攻略チャート Sランク取るのには、増援の全滅が必要??何度やっても全滅させれないので。。 -- tk (2009-12-29 14 06 24) 2周目、特殊弾頭誘導魚雷、長距離対潜誘導魚雷取得 -- 名無しさん (2010-03-06 17 05 39) 2週目 新型超音速酸素魚雷 80cm魚雷 80cm誘導魚雷 取得確認 -- 名無しさん (2010-05-23 19 16 16) 4週目 超音速酸素魚雷 取得したー -- MS (2011-02-06 21 19 56) 輸送船が出てこない。 -- 名無しさん (2013-01-27 18 47 38) http //www.kurogane.biz/wsg2/stage/100.php -- 名無しさん (2013-01-28 11 38 55) 1週目で53.3cm魚雷を取得 -- 名無しさん (2013-10-05 23 27 16) 輸送船って何隻撃沈されたら作戦失敗になるんですか。 -- 名無しさん (2013-12-18 22 21 18) 3集以上ですが、1つ殺られた時点で終わりと思ったほうが、良いですよ。 -- 名無しさん (2013-12-23 01 30 44) 輸送船が全部沈むと敵艦が全部止まるんだけど、何でだろう? -- 名無しさん (2014-03-15 14 58 29) この電子設計図って何に使うの><??? -- 名無しさん (2014-03-23 16 54 37) このステージかなり開発研究進めないと無理っぽいね -- 名無しさん (2014-09-09 23 46 09) 2周目ha -- 名無しさん (2015-04-22 18 36 48) 二週目は空母使ったほうがいい。 -- 名無しさん (2015-04-22 18 38 13) 名前 コメント トップページ | 攻略チャート
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477: ホワイトベアー :2019/07/14(日) 19 06 31 HOST 157-14-225-220.tokyo.fdn.vectant.ne.jp 日米枢軸ルート 番外編:エムデン戦隊の伝説 地中海と大西洋でドイツ海軍地中海艦隊がウィルヘルムスファーケンに向かい航海を続けている頃、遠いアジアでもドイツ海軍は動きだそうとしていた。 もともと、ドイツ海軍は1881年よりアジア地域に艦隊を派遣しており、1898年にはこの艦隊の拠点として膠州湾を99年間租借する事を取り決めた独清条約に署名し、この地域の植民地建設が本格的に始まった。それまで貧しい漁村だった青島に、海軍基地と支援施設からなるドイツ帝国海軍の東洋基地が建設されていた。 第一次世界大戦開戦直前には巡洋戦艦《フォン・デア・タン》、装甲巡洋艦《シャルンホルスト》《グナイゼナウ》、仮装巡洋艦《プリンツ・アイテル・フリードリヒ》《リャザン》防護巡洋艦6隻、非防護巡洋艦4隻、駆逐艦8隻、水雷艇20隻、砲艦4隻と無視できない大戦力を抱えており、そのほとんどが青島に停泊していた。1914年にサラエボ事件がおきると、東洋艦隊司令官マクシミリアン・フォン・シュペー中将は東洋艦隊に出撃準備をさせる。この時のドイツはイギリス海軍管区を通る全ての海中ケーブルが遮断されていたが、満州連邦ー日本ー米国を通るルートを使いドイツ本国との連絡線確保に成功しており、彼は海軍大臣テイルピッツより東洋艦隊を使い通商破壊を行う事を命令されており、防護巡洋艦《エムデン》、《ニュルンベルグ》と仮装巡洋艦《プリンツ・アイテル・フリードリヒ》石炭運搬船エルスベートからなるエムデン戦隊を編成、連合国の艦船への通商破壊を行うべく青島を出撃する。 1914年8月23日、インヴィンシブル級巡洋戦艦《オーストラア》、軽巡洋艦2隻を中核としたオーストラリア海軍艦隊がドイツ東洋艦隊を自由にさせないようにする為に青島を海上封鎖する。しかし、この時には《エムデン》と《ニュルンベルク》はロンボク海峡を通過、インド洋に出ていた。そこで彼らもまた伝説を作る。 インド洋に入った《エムデン》と《ニュルンベルク》はそれぞれが単独での行動を開始。彼らはインド洋で連合国籍の船舶を相手に極めて紳士的に通商破壊を実行、彼らは9月14日までだけでもベンガル湾にて8隻の船を死者・重軽傷者0と言う状態で撃沈または拿捕する。 この12隻の船の中には中立国籍の船もあったが、ドイツ海軍はその巧みな外交術で問題を回避し、国際法違反と糾弾されないように様々な手を尽くしていた。それだけではなく拿捕した全ての船籍の乗組員を丁寧に扱い中立国からは称賛の声すら出るほどであった。その一方、《エムデン》と《ニュルンベルク》の活躍によりインド洋の連合軍通商航路は大きなパニックを巻き起こす。さらに商船の戦時保険料が急騰し、多くの船舶が出港を見合わせた。 《エムデン》は9月12日に一旦通商破壊を終了。事前に決めていた集合海域で別行動をとっていた《ニュルンベルク》、《エルスベート》と合流し、石炭を補給する。その後、イギリス海軍の重要拠点であるマドラスを襲撃する為にマドラスに向け進路をとる。 マドラス襲撃にあたって《エムデン》と《ニュルンベルク》は偽造煙突を使い四本煙突に偽装。航海灯をつけたまま堂々とマドラスに接近し海岸から2,800mか3,000mほど接近すると沿岸部に向けて砲撃を開始する。この時の砲撃は沿岸砲と石油タンクを標的として行われ、決して市街地には当たらないようにされていたこともあって、市街地には一切の犠牲者を出さずに沿岸砲を沈黙させ、石油タンクに大きな被害を与え、65万ガロンの石油を燃焼させることに成功する。 478: ホワイトベアー :2019/07/14(日) 19 07 03 HOST om126200115219.15.openmobile.ne.jp 無論、イギリス軍も沿岸砲で反撃を加えるが、ただの一発も《エムデン》や《ニュルンベルク》に当たらず、2隻は悠々とマドラス沖を去っていった。 このマドラス砲撃事件はドイツ地中海艦隊のドーバー海峡突破の直後と言う事もあってイギリス本国でも大問題になり、イギリス東洋艦隊は装甲巡洋艦《ハンプシャー》と軽巡洋艦6隻からなる討伐部隊が派遣されるが、そのような事は影響ないとでも言うかのようにセイロン島近海で4隻の艦船を撃沈、さらにコロンボ・ミニコイ間の航路にて6隻の撃沈と4隻の拿捕に成功する。 この頃になると連合国側もドイツ軍の通商破壊部隊の詳細を掴んでいたが、それでも有効的な手を打てず、《エムデン》と《ニュルンベルク》の傍若無人振りを止める事はできなかった。 彼らは沈めた船の乗組員を拿捕した船を使い解放し、そのままモルディブ諸島へ向かい、そこで石炭の補給を行った。補給が終わると、チャゴス諸島へと向かった。10月9日にディエゴガルシアに到着し、ブレスクから石炭を補給。ディエゴガルシアでは誰も戦争のことを知らない事もあって、水兵達の上陸を許可、戦いずめであった彼らにしばしの休息をとらせる。そして、チャゴス島を出発した《エムデン》と《ニュルンベルク》はコロンボ・アデン航路に舞い戻った。この時のコロンボ・アデン航路はイギリス海軍がドイツ海軍は既にこの海域に展開していないと発表していた事もあって多くの船が航海を再開しており、その事もあって11隻を撃沈または拿捕することに成功、この大戦果に満足したドイツ海軍は狩場を別の場所に移す。 ドイツ海軍はこの一ヶ月で33隻の艦船を拿捕または撃沈しており、連合国海軍はドイツ海軍の通商破壊対策の為に共同戦線を取ることで合意。経済性を無視して商船を単独航行から船団航行に移行させ、各船団に各国海軍から抽出された護衛をつけ始める。 東からはマレーのイギリス海軍とインドシナのフランス海軍、ロシア海軍が共に、西からもアフリカを牛耳るイギリス・フランスの派遣艦隊が輸送船団と合流し、護送船団を形成していった。 これを知ったエムデン戦隊は連合国海軍の重要拠点であるペナンに殴り込みをかけて、護衛戦力を漸減することを計画する。そして、エムデン戦隊は奇襲性を高めるために個別行動を再開。《エムデン》はモルジブ諸島沖からペナンに移動、同地への攻撃を開始する。 479: ホワイトベアー :2019/07/14(日) 19 07 33 HOST om126200115219.15.openmobile.ne.jp この時のペナン港には通商護衛の為にイギリス・フランス・ロシアの軍艦が入港しており、多数の軍艦が終結中であった。その事からもペナンでは最大限の警戒は敷かれており、要塞化されている事から攻撃不可能と考えられていた。 そんな中でエムデンはマドラス攻撃時同様に4本煙突に擬装し、10月28日に未明にペナンへ接近、入港していた3隻のフランス海軍駆逐艦に紛れて港内に進入する。そして、ロシアの巡洋艦《ジェムチュク》を発見、距離300mで魚雷を発射し命中させる。続いて砲撃を行い、再度魚雷を発射。これも命中し、ジェムチュクは沈没した。次いで接近してくる船を発見して発砲したが、それは非武装の船であり攻撃は中止された。その船の煙突に命中弾があり、そこに穴をあけた。 その後、《エムデン》は港湾部にも砲撃を開始、《ジェムチュク》が完全に沈没すると港内から全速力で脱出する。 港内から脱出した《エムデン》はイギリス貨物船を発見しこれを拿捕しようとしたが、臨検中に駆逐艦が現れたため放免された。現れたのはフランス海軍駆逐艦であり、《エムデン》をイギリス巡洋艦と誤認し接近する。この時のエムデンはイギリス巡洋艦のふりをしてやり過ごそうとしたが、軍艦旗を下げるのを忘れており、バレ、駆逐艦より雷撃を受ける。幸いこの雷撃は外れ、フランス海軍駆逐艦は《エムデン》の砲撃により撃沈される。 ペナン攻撃でエムデンは被弾することもなく、負傷者も出なかないという奇跡的な状況であった。彼はフランス海軍駆逐艦の乗員の救出を終えると安全海域まで脱出を開始。最後にペナンに向けて「我、ペナンを去らんとす。ご用 無きや?」と無線を放った。 その後《エムデン》は追撃してくるフランス駆逐戦隊を振り切り安全海域まで離脱する。 このペナン攻撃は現地に停泊し、撃沈された日本船籍の船からの情報のあって早々に全世界に知れ渡る事になる。辛うじて保っていたイギリス海軍の威信は完全に失墜。戦時船舶保険料は高騰し続け、輸送船は次々と出港を見合わせ、連合国の地中海におけるシーレーンは大打撃を受ける事になる。 その後、イギリス海軍は東洋艦隊をフル動員。その全てをエムデン打倒に当てる。 ペナン襲撃後の4日後、1914年11月1日、オーストリアの湊町オールバニよりANZACを乗せた35隻の輸送船から構成される大船団が出港する。この船団にはイギリス海軍装甲巡洋艦《マイノータ》オーストリア海軍軽巡洋艦《シドニー》の護衛の下、エムデン戦隊による攻撃を警戒しつつ一路、インド洋を西へと向かっていく。 エムデン戦隊はペナン襲撃後に合流、再び通商破壊に勤しみ3隻を拿捕していた。しかし、彼らは控えめに言っても無茶をし続けており、少しずつだが綻びが見え始めていた。そんな中エムデン戦隊は次の作戦としてココス諸島のディレクション島にある無線施設と海底ケーブルの破壊を決めた。 エムデン戦隊は11月9日にココス諸島のポートリフュージに停泊。ヘルムート・フォン・ミュッケ大尉以下50名からなる陸戦隊が上陸し、無線施設の破壊およびケーブルの切断を行った。ケーブルは3本中2本を切断したが、もう1本は発見できなかった。 480: ホワイトベアー :2019/07/14(日) 19 08 18 HOST om126200115219.15.openmobile.ne.jp しかし、エムデン戦隊陸戦隊の上陸直前に、ディレクション島の無線基地は、不審な艦影の発見により、緊急電報を発信していた。このとき偶然、ANZACを乗せた輸送船団が島から80km、時間にして2時間の地点を航行中であったのだ。6時55分、《シドニー》がディレクション島からの緊急電報をキャッチ。同艦はディレクション島に急行する。 シドニーの接近を知ったエムデン戦隊は、汽笛により陸戦隊の帰還を呼びかけるも間に合わず、抜錨し、戦闘準備を行う。9時40分に《エムデン》《ニュルンベルク》およびは砲撃を開始し、シドニーも反撃を行った。シドニーはエムデンより大型・優速であり、主砲の口径も10.5cm砲のエムデンよりも15.2cm砲は射程が長く優越していた。また、シドニーは水線部と甲板に防御を持つのに対しエムデンの装甲は30mmと薄い上に甲板部しか防御されない上に、長期の航海により各所に状態の思わしくない箇所を抱えていた。 しかし、幸運の女神はエムデン戦隊に微笑んだ。この時の《シドニー》には《エムデン》の接近は伝わっていたが、《ニュルンベルク》の存在は知らされていなかった。それによりいくらかは主導権を握って戦うことができ、さらにはじめの砲撃が奇跡的に《シドニー》の艦橋に命中、艦長以下艦橋要員を全滅させる事に成功した。 これにより《シドニー》は一時的に大混乱に陥った。そこをドイツ海軍が見逃すはずもなく、《ニュルンベルク》より2本、《エムデン》より2本の魚雷を発射する。満足な回避行動が取れなかった《シドニー》は魚雷4本をもろにくらい轟沈した。 この《シドニー》が大規模な輸送船団の護衛艦であることはエムデン戦隊もそれまでの無線解析の結果掴んでおり、この事からエムデン戦隊は出撃を中断したANZAC輸送船団がいることを知る。 《シドニー》を返り討ちにしたエムデン戦隊は揚陸隊の回収を急いで行い、《シドニー》がきた航路からANZAC輸送船団の位置を仮定、逆襲を仕掛ける。 この時のANZAC輸送船団には護衛艦は装甲巡洋艦《マイノータ》、肝心の輸送船団の位置も予想こそあるものの正確な位置は不明と、防護巡洋艦2隻のみで挑むには部もリスクも高い賭けで。だが、エムデン戦隊はそれでもこの賭けを行った。 そして19時、エムデン戦隊はANZAC輸送船団を捕捉する。この時、まだ《マイノータ》はエムデン戦隊を発見はしていなかったが、それでも十数秒の差で彼らもまたエムデン戦隊を発見する。始めに動いたのはエムデン戦隊であった。彼らは単縦陣でマイノータに向け速力を全快で突貫した。この時のエムデン戦隊がマイノータにダメージを与えられる武装は魚雷しかなく、魚雷発射管は艦種しかなかったからだ。これを見た《マイノータ》はエムデン戦隊の考えを読んでおり、魚雷の射程範囲まで来られる前に沈めるべくエムデン戦隊に向けて砲撃を開始する。しかし、夜間と言うことやエムデン戦隊の速度が速かったことにより思うように狙いをつけられず中々、命中しなかった。そして、お互いの距離が4,000mにまで近づくと、《エムデン》と《ニュルンベルク》は《マイノータ》に向けて魚雷を発射する。 《エムデン》が発射した魚雷は当たらなかったが、《ニュルンベルク》が発射した魚雷は全てが《マイノータ》に命中。しかし、魚雷2発では《マイノータ》は沈みはしなかった。 エムデン戦隊は再び魚雷を発射しようとさらに距離を詰めるが、副砲も含めた全力砲撃を受けることになり、《エムデン》や《ニュルンベルク》にもついに命中弾が見られ始める。 そして、ついに主砲から放たれた26.4cm弾が《ニュルンベルク》に命中。今までエムデン戦隊構成艦として活躍してきた防護巡洋艦《ニュルンベルク》はインド洋にその姿を沈める事になる。しかし、《ニュルンベルク》に主砲が命中する数秒前に魚雷が放たれており、これが《マイノータ》に命中。《マイノータ》は浸水によって急速に傾き、戦闘能力を喪失する。 481: ホワイトベアー :2019/07/14(日) 19 08 54 HOST om126200115219.15.openmobile.ne.jp 《ニュルンベルク》の犠牲によ《マイノータ》を戦闘から脱落させたエムデン戦隊はANZAC戦隊へ攻撃を開始、船団バラけさせて逃走を開始していたが、戦闘開始から対して時間が過ぎていないこともあって《エムデン》《プリンツ・アイテル・フリードリヒ》に早々に捕捉される輸送船が多数発生、最終的に15隻近くを沈められ、多くのANZACの新兵達が実戦を経験することなくインド洋に沈んでいった。 ANZAC輸送船団の事実上の被害甚大。この報告は《エムデン》から逃れられた輸送船により発せられ、即座にイギリス海軍省にまで届く事になった。この時はチャーチルの後任として海軍大臣に着いたばかりであったが、アーサー・バルフォア海相は早々に責任を取らされ更迭される事になる。 そして、これを受けたイギリス海軍はもはやなりふり構わずエムデン戦隊の討伐に全力を尽くす。東洋艦隊のみならず地中海艦隊も動員、巡洋戦艦3隻、装甲巡洋艦7隻を主力としたあわせて100隻近い艦艇が動員される。また、これとは別個に装甲巡洋艦だけでは船団護衛には不足があるとして旧式の戦艦群も船団護衛に動員。護衛艦隊の戦力一方、この時の《エムデン》は先の戦いでおった傷の他に弾薬の欠乏と言う問題にも直面しており、1914年11月22日にイギリス海軍に捕捉されるとついに降伏。翌日には通商破壊中であった仮装巡洋艦《プリンツ・アイテル・フリードリヒ》も捕捉され、抵抗の後に自沈、ここにエムデン戦隊は壊滅した。 そして、青島に籠るドイツ東洋艦隊とこれを封鎖するオーストラリア海軍・イギリス海軍連合艦隊のにらみ合い以外は平和な海へと戻っていった。そして、戦いの部隊はヨーロッパと大西洋へと戻っていく。 482: ホワイトベアー :2019/07/14(日) 19 10 00 HOST om126200115219.15.openmobile.ne.jp 以上です。 今回の話を各に辺り、エムデンのことは多少調べたのですが、調べれば調べるほど驚愕を覚えましたよ。そして、現実は小説より奇なりと言う言葉を改めて思いしりました。何で単艦で要塞化された軍港二つに艦砲射撃を加えて29隻の艦艇を撃沈できるんですかねぇ(震え声) ちなみにANZAC護衛艦隊がなぜあそこまで少なかったかと言うと 1.オーストラリア海軍主力はドイツ東洋艦隊主力が籠る青島の封鎖に当たっていて余剰戦力がない。 2.イギリス東洋艦隊はエムデン戦隊の捜索で手一杯。 3.フラカス先輩の艦隊はフランスインドシナ軍を乗せた輸送船団の護衛に駆り出されている。 4.ロシア海軍は日米がどちらにつくのかわからないのでウラジオストクからあまり戦力を出せない(そもそもマルセイユ講和条約によって極東における戦力が大幅に減っている)。 と言う理由からです。
https://w.atwiki.jp/kokomadeyonda/pages/366.html
ピグニス航空隊(約600名) 内訳は零式艦上戦闘機が22機(常用18機+補用機4機)、九七式艦上攻撃機が22機(常用18機+補用機4機)の計44機(常用36機+補用機8機) 他に防御戦力として、重火器6門(三年式12cm砲×2、13㎜機銃×4)、砲艇4隻を保有。 また守備隊ではないものの、この他に第一〇三設営隊?と同部隊の輸送船団(5000総トン級輸送船2隻、護衛艦2隻)、そして民間会社の漁業船団も同諸島に駐留している。これ等は基本的に戦力足り得ないが、例外として船団の護衛艦2隻(特設砲艦“第三千代田丸?”“第四千代田丸?”)が投入可能だった。 -